エースコンバットプロデューサ河野Pのコメントから発売前のエースコンバット7を解く

エースコンバットプロデューサ河野Pのコメントから発売前のエースコンバット7を解く

ネット上に散らばった、エースコンバットブランドプロデューサー河野Pのインタビューコメント。これらをかき集めてエースコンバット7を読み解いていこう

エースコンバット7ブランドプロデューサー河野Pのコメントから見えてくることとは

どれくらいの機体が登場するのか?その出来は?

現世代機レベル(PS4:4K)の表現で30機ぐらいは揃えたいと思っています。
そして現世代機に会わせて全部作り直しています。前回のデータを使えば効率的なので、いろいろと議論があったのですが、今できてみると段違いなんです。見た目や質感が微細なところまで再現されている。このため現世代機初めての「エースコンバット」として、この機体が入っていなければいけないな、というところまでそろえている段階です。オリジナル機ももちろん入っています。

こだわりぬいた機体、キャノピーに雲突入時は水滴が流れ、次第に氷結していく。本作では質感や温度がプレイヤーに感じていただけるといったところまで踏み込みました。

F-35Cは、艦載機を増やすために実装しました。通常離着陸のF-35Aや、短距離離陸・垂直着陸のF-35Bは、いまのところ考えていません。この2機よりも別の機体を増やしたいですし、F-35Bを実装するとホバリングの挙動を作る必要があり、ゲームにも影響しますから。

戦闘機好きという方々には,本当に「見てください!」といった感じで,戦闘機の足回りからテクスチャーから,今世代にふさわしい戦闘機を提示できていると思います。ぜひとも楽しみにしてください!

エースコンバットインフィニティの場合だと、爆撃機とレシプロ機、さらに特別機を除いた機体数は62機なので、エースコンバット7ではその半分くらいの機体数ということになるな。

 

どんな人たちが作っているのか?<「PROJECT ACES」

監督・脚本は『04』『5』の片渕須直氏

1番大きいのは『この世界の片隅に』の監督である片渕須直さんに戻っていただいたことですね。片渕監督とは『04』、『5』でご一緒させていただいたので、親しくさせていただいていて、『7』を作るにあたって片渕監督にご相談したんです。『04』や『5』以来になるのですが、片渕監督が予想以上に『エースコンバット』のことをキチンと覚えてくださっていて、その流れのディテールまでしっかりとした内容になっています。

監督はお忙しいと存じておりますので、「誰か、監督のようにミリタリーの知識がありつつ、脚本をお願いできる方をご推薦、ご紹介していただけませんでしょうか?」とご連絡させていただいたんです。そうしたら「残念ながら、そのような人物は見当たりません。私がお引き受けします」とお返事をいただきまして。

『この世界の片隅に』片渕須直監督・脚本
TVアニメ『BLACK LAGOON』片渕須直監督・シリーズ構成・脚本

楽曲は昔からエースコンバットシリーズに関わっている小林啓樹氏

昔からシリーズを作曲していただいている小林啓樹さんには真っ先に声をかけました。どの楽曲も、彼のこだわりがたくさん反映されているものに仕上がっていると思います。またチームスタッフにも歴代の『エースコンバット』に関わった人に楽曲作成の依頼をしています。集大成のイメージです。

『cakeprojects』 www.keikikobayashi.com

そのほかも豪華陣、サマーレッスンの玉置Pとかも

そのほか、『4』、『5』の糸見(糸見功輔氏)や菅野(菅野昌人氏)といったメンツを集めていますが、僕としてはこのメンバーでナンバリングを作るのは自然なこと。彼らの才能を集めて作らないと『7』にならないし、ナンバリングをつけられませんから。
玉置(玉置絢氏。『サマーレッスン』のプロデューサー)も参加しているので、今後、さらなるクオリティーアップを図りたいです。

サマーレッスン(バンダイナムコエンターテイメントのPS4 VRタイトル)

 

エースコンバット7における新要素はなにか?

まずは「空の革新」。生きたフィールド、空の感触 = 雲、雷、上昇気流

「空の革新」です。「エースコンバット7」の、空は立体的な雲があったり、気流があったり、環境がつくり出す立体的なフィールドを目指しました。今までの作品では、雲は見せていましたけど実体がない。飾りだったんですね。それを今回は雲を使って戦略的な判断が必要になったり、実際に視界が悪くなったり、空を飛んでいるときの気流で機体がぶれたりするという。何もない空間なんですけど、空は多様な手触りがある。そういう環境を現世代機のパワーと最新の技術で作り直すというのが「革新」と呼んでいる部分ですね。

本作は、“生きたフィールド”をテーマに開発を進めているので、空の感触まで踏み込みたいと考え、上昇気流を表現しました。ゲームのジャマをしない範囲でさらに臨場感を高めるため、ジェット気流(対流圏上層に位置する強い偏西風の流れ)で飛行速度が速くなる、といったことも検討中です。

雲の中に入ると敵機を見失いやすくなるとなれば、雲を避けるか、それともあえて最短距離を突っ込むかという戦略の違いが人によって出ます。今まで空中でそういう戦略ってなかったんですね。敵を追う最短距離のみだったので。それを環境によって、どう攻略するかをユーザーの判断に委ねる、というのが本作ですね。

機体に雷が落ちるのか、落雷するとどうなるのかといった細かいところは、今後開発を進めつつ考えていきますが、雷雲はひと目で危険度が伝わるように、禍まが々まがしい雰囲気にしています。追い掛けていた敵機が雷雲に進入したとき、そのまま追従するのか、それとも雷雲を迂回して出てきたところを狙うのか。プレイヤーが判断して空中戦をくり広げるベースの部分はそのままに、気流や雷雲などの環境の変化を取り入れて、戦略のバリエーションを増やすようにしています。

それって、ゲームの難易度が上がってるっていうこと?

初めて「エースコンバット」を触る方も、ずっと「エースコンバット」を楽しんでこられた方も、どちらも気持ちよく楽しめるバランスを目指します。

あえて難しい飛行コースにチャレンジすることで、戦闘機を操作している実感をより強く体験してもらえると思います。アートディレクターにはそうした考えのもと、遊べる場所をたくさん作ってもらいました。(<スキマニア向けの趣向ありってことだぜ)

「エースパイロットごっこ」戦闘機が好きな人たちがやりたいことをちゃんとやれているという“ごっこ”をキチンと高めること。

環境がこうで、持っている武器がこれで、こういうこともできる、と。そうなると攻略法のパターンも増えてくるので、その自由度を担保しようと作っています。

つぎつぎと敵を一掃する感覚が気持ちいいというのは「エースコンバット」では大事なので、そこを変えるつもりはありません。

ポストストールマニューバができるそうですけど?<コブラとかクルピッドとか

『エースコンバット』シリーズは、パイロットができることは可能な限り体験してほしいと考えて、開発を続けてきました。現在のバージョンでは、機体を水平状態に保ちながらストール域までスピードを落とした後、加速しつつ機体を起こすとポストストールマニューバが行えます。難度の高いテクニックですが、練習をしてうまく使いこなせば、映像内のように背後に迫る敵機をかわして反撃に移る、といったこともできると思います。見た目重視ですが(笑)。

今日公開した「ポストストールマニューバー」の映像ですが、戦闘機好きからは大絶賛でした。ゲーム中にドッグファイトにおいて有利な意味があるわけではないんですが、それができるということがすごいと。でもあの映像を見て一般の人はまったく何のことかわからない(笑)。あんなにごく一部の人の心を刺しにいくのは珍しいと(笑)。こんなものをTGSで出してくる(笑)。「エースコンバット」の戦闘機が好きな人はそうなんですね。先ほどもTwitterを見ていたんですが、「神です」と大喜びしていて。そういう所に面白いところもあるのかもしれませんね。

エースコンバット7のポストストールマニューバの動画を解説

エースコンバットシリーズおなじみのトンネルはあるのか?

トンネルについてはよく聞かれます(笑)。ところで,プレイヤーとしては賛否両論なのを知ってらっしゃいますか? 歓迎と否定で真っ二つなんですよ。それの中庸をとったのが「エースコンバット・ゼロ ザ・ベルカン・ウォー」の“上から出たり入ったりできるトンネル”だったのですが,今回は割とストロングスタイルで作っています。

そして,“トンネルだけとは限らない”ですよ。今回はストロングスタイルなので、皆さんに頑張っていただくことになるかなと思います。

PS4のVR対応についてはどうなっているのか?

完全に別モードとして切り離しています。あくまで主軸はマルチプラットフォームで展開している「エースコンバット7」というゲームのキャンペーンモードです。そこに相当な力を注いでいますし,10年ぶりのナンバリングとして正しい回答をプレイヤーに出さなければいけないと思っています。
ただフランチャイズの未来を考えたときに,それとは別にプレイヤーの皆さんへ可能性や展望を提示したい,我々の挑戦を見せたいという思いがあって,それがVRモードとなっています。

今回は10年ぶりのナンバリングなので、まずは安心していただきたいというのがある。それ以外に我々が挑戦的で、ユーザーに待ち望まれているのはVRだったのかなと。

人間が首を振るという操作をわざわざ右スティックに割り当てるという、むしろこっちが不自然ですよね。VRだと見たいところを見るという当たり前の行動に出られる。VRの方が人間の体感的に合っているんですね。そういう発見があったりとか。「エースコンバット」が今後どうなるかはわかりませんが、「1つの方向性における可能性のプレゼンテーション」という形で受け取っていただければなと思います。VRが浸透していった先に、そういう「エースコンバット」という作り方もあるかもしれないですね。今回は「7」で正統進化の「エースコンバット」を楽しんでもらいながら、未来の可能性を感じていただくという構成になっています。

本編のキャンペーンモードは、物語を主軸においたゲームプレイとストーリー体験との融合になります。カメラは一人称だけではなく、カットシーンなど映画的な視点を持ち合わせているんですよね。VRでそれをやると一瞬で没入から覚めてしまいますし、酔いの原因となる場合があるんですよ。VRは完全主観で自分の目の、パイロット視点だけで、その錯覚から醒めさせたくないように作っています。ですので、キャンペーンとVRは、『エースコンバット』として根本は同じモノなのですが、体験の方向性を作り込んでいくと違ってしまうんですよね。ベストである姿が違うものですので。

いままでは計器、レーダーを頼って判断するというゲーム性が主だったものが、VRだとどこに敵がいて、どこから来ているのか感じられるんです。直感的に、自然になったというのがVRの第一印象ですね。

コクピットは相当に作り込んでいます。状況に合わせて計器をちゃんと動かしていますので、難しいですけれど、やろうと思えば計器飛行ができるほどではないでしょうか(笑)。

とはいえ、『エースコンバット』はカジュアルなフライトシューティングです。エースパイロットとしての体験を味わってもらうものですので、シミュレーター風味が味わえる、くらいですかね

VRは60fpsが必須ですので、フレームレートは60fpsを必ず担保しています。

VRモードは「エースコンバット7」で満足してもらえるとは考えていませんし,「7」の本編だとは位置付けられません。ただ,このモードで「ハンガーで実物大の戦闘機を見るのはこんなに価値があるんだよ」や「空を飛ぶというのはこんなにすごいことなんだよ」という未来の片鱗をプレゼンテーションしたいと思っています。

エースコンバット7のVRデモ動画を解説
エースコンバット7 PS4,VR特別体験会に行ってきた

新バージョンのPSVRが発売されて、供給も安定しているようでVRの値段もこなれてきた感じだな。VRにはカメラ必須だよ。

リプレイ機能は実装されるのか?

ファンの皆さんのために、リプレイ機能も実装に向けて鋭意開発中です。ただ、昔よりも要素が増えているぶん、リプレイ機能の開発の難度が上がっていて、簡単な作業ではありません。レースゲームのようにコースが決まっていれば、定点カメラを置いて機体を追えるのですが。まだ課題は多いですが、本作はナンバリングタイトルを名乗っているので、「やるべきところはしっかりとやる」という姿勢で、ファンの要望になるべく応えていきたいです。

日本語音声のキャスティングがかなり豪華?

キャストさんがものすごく豪華な方々を押さえていまして。贅沢なキャスティングをしています。全体的に頭がミリタリーによっていて、声の合致を重視して選んでいるので、声優さんがどれほどすごいのか疎くて……。結果、ほかのプロジェクトのスタッフが、「よく揃えられましたね」と驚くぐらい、かなり豪華なメンバーにお願いできました。なのでキチンと紹介した方がいいという話になりました。しっかりと発表する機会を持つつもりです。

 

どういうストーリーなのか?

軌道エレベータが建てられた理由はゲーム冒頭で少し語られます。あまり言えないのですがボカして言うと,建物が建つとそれによる経済効果が期待できますよね。それによって助かる国があって,エルジアも期待していたんだろうな……という感じです。何かあるんですよね。現実世界でも似たような利権問題はありますが,そういうイメージです。

(エルジア王国王女)コゼットは単に可愛いだけのキャラクターではありません。コゼットだけでなく,老パイロットのミハイなど,それぞれの人間が戦う理由や自分なりの意思を持っていて,それがストーリーの中心になっています。片渕須直監督のシナリオなので,単純な善悪ではないんですよ。トレイラーでコゼットの「あなたはどっちを選ぶのかしら?」というセリフがありますけれども,あれはストーリーの一環であり,プレイヤーへのメッセージでもあるんです。

(プレイヤーは)経歴というか,例えば「エースコンバット04 シャッタードスカイ」だと英雄譚の主役,「エースコンバット5 ジ・アンサング・ウォー」だと影のヒーローといった体験をしてもらったように,今回もある役割を体験をしてもらうことにはなるんです。それは結構ショッキングで,予想もしないところへと向かっていきます。

『7』では単純に国と国の戦いだけでなく、有人機と無人機、新世代と旧世代などさまざまな構図があり、ストーリーは単純な形で終わらないようにしていますので、片渕監督の書く脚本にご期待ください。

ロイヤルのファンの方には片渕監督がシナリオに戻ってきたというのが最大の魅力の担保かなと思います。独特の台詞回しもありますし、エンターテインメントにも振っていただくんですけど、それでも片渕節というか、根底に持っている片渕監督の世界観があって。それをゲームにするのはかなり苦労しました。
シナリオは固まっていますし、お話の演出もできているのですが、戦闘機のゲームなので、キャラクター同士の演劇はさせたいとは思っていません。なるべくゲーム中でプレーヤー自身が体験して、実感に落とし込みたい。

今回は「5」の10年後を描いていますので2019年の設定ですね。でもあの世界の文明は我々よりちょっと進んでいますので、軌道エレベーターも出てきます。

『エースコンバット7 スカイズ・アンノウン』は、鏡や対比だったり、メッセージをふたつ投げてどちらに共感するのか、どう考えるのか、ということを観る方に問いかけているんですね。トレーラーで言えば、E3ではオーシア連邦側から見た戦争の見えかた。一方、gamescomトレーラーでは、エルジア王国側からの戦争の見えかたを描いています。
どちらにも言い分があり、その両方の側面でプレイヤーにストーリーの一端を伝えられたら、というのがコンセプトです。どちらが悪いという話ではなくて、それぞれ理由があるということを投げかけたかったんですね。
片渕監督からは「どちらが悪者」という話はまったく出てこないですね。それぞれに理由があり、単純に起こった争いではないということですね。

無人機の時代がくることを、ミハイという老パイロットを通してメッセージにしたいと考えていて。あと冒頭の幕間のシーンで老人が「こういう時代はいかん」と言うのですが、それがとても印象的。無人化する未来に対し、「無人化というものがどういうことか」というメッセージが深く入ってきます。

エースコンバット7トレイラームービーの検証

 

河野Pからエースコンバットファンに向けて

「きちんとした『エースコンバット』のナンバリングをまず出そう」

ナンバリングタイトルであるからには、チャレンジは必要ですが、安心感だったり、「これがやりたかった」という皆さんの思いを大事にしなければならない。“昔ながらのよさ”というと語弊があるかも知れませんが、いいものは時代を超えていいものなんですよね。『エースコンバット7 スカイズ・アンノウン』も、本質は『エースコンバット』であることを変えていません。

皆さんが待ち続けて期待しているナンバリングはこうだ! というものになっていると思います。

ナンバリングを追いかけてくださっている方たちが心から喜んでもらえるように、仕様をすべてナンバリング基準で考えていますし、内容も当然充実させているつもりです。よりよい『エースコンバット』がちゃんと帰ってきた、と思ってもらえたらうれしいですね。

見た目ほど難しくはないことを伝えたいです。手軽に大空を飛び回る爽快感を味わえる点が1つの魅力ですし、フライトシューティングにしては珍しくシナリオにも凝っています。

戦闘機でフライトしながらエースパイロットの体験ができる、世界でも希有(けう)なソフトですので、ぜひとも手にとっていただきたいです。

 

シリーズファンの方々,「エースコンバット」をいつも支えていただいてありがとうございます。そのお陰で10年ぶりにナンバリング新作を出せます。期待に応えるべく細部までこだわって作り抜いているので,まだ少しお待たせしますが,“いいものにする”という約束の代わりに,お待ちいただければと思います。

『エースコンバット7』を手にとってくれる方には、20年分の最大の恩返しがしたいですね。

 

発売前のエースコンバット7についてオレがまとめると、こういうこと

まず、エースコンバットアサルト・ホライゾンのような外しはない。

エースコンバットファンが、これが『エースコンバット』だ!と納得できる出来であることは間違いなさそう。

ポストストールマニューバもボタン一発のチート技ではなく、あくまでもプレイヤーが機体をちゃんとコントロールしなければ出来ない技になっている。<実戦的であるかはともかく

プロデューサーは河野一聡氏

ストーリーと監督は『04』、『5』の片渕須直氏

楽曲はシリーズ担当の小林啓樹氏

それにプラスして、豪華声優陣 <未発表

さらに発売を1年延期するほどの開発工数の掛けよう

これはもう、期待せずにはいられないぜーー

 

ってことで、まったなー

ではでは(^^)/~~

 

 

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